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高血圧症

高血圧は、血圧が慢性的に高い状態が続く病気です。

放っておくと、血管や心臓、脳などにじわじわと負担がかかり、動脈硬化や心臓病、脳卒中の原因となることもあります。

多くの場合は自覚症状がないまま進行するため、「サイレントキラー(沈黙の殺し屋)」とも呼ばれています。

なぜ血圧管理が大切なのか

血圧が高い状態が続くと、血管の壁に常に強い圧力がかかります。

その結果、血管が傷つき、次第に硬くもろくなっていきます。これが「動脈硬化」です。

動脈硬化が進むと、以下のような深刻な病気のリスクが高まります。

  • 狭心症・心筋梗塞(心臓の病気)
  • 脳出血・脳梗塞(脳の病気)
  • 心不全
  • 足の血管が詰まる末梢動脈疾患(PAD) など

高血圧のタイプ

本態性高血圧(ほとんどのケース)

遺伝的な体質や生活習慣、ストレス、環境などが複雑に関係して起こります。

影響する生活習慣の例:

  • 塩分の多い食事
  • 喫煙・過度の飲酒
  • 運動不足
  • 睡眠不足
  • 精神的ストレス

二次性高血圧

腎臓やホルモンの病気など、明らかな原因がある場合です。若年での発症や薬が効きにくい場合には、精密検査が必要です。

診断基準と降圧目標の違い

一般的な診断基準:

  • 家庭血圧:135/85 mmHg以上
  • 診察室血圧:140/90 mmHg以上

一方、「降圧目標(治療の目標値)」は、2025年に改定された高血圧ガイドラインに基づくと次の通りです。

診察室血圧:130/80 mmHg 未満

家庭血圧:125/75 mmHg 未満

ただし年齢・体力・合併症の有無に応じて調整します。過度の降圧による有害事象にも注意が必要です。

年齢・疾患別の目安(簡易表)

状況 診察室血圧目標 家庭血圧目標 コメント
全年齢 <130/80 mmHg <125/75 mmHg 基本的な成人の目標

75歳以上で通院に介助が必要な方

<140/90 mmHg <135/85 mmHg 高齢者は安全を優先
糖尿病・慢性腎臓病あり <130/80 mmHg <125/75 mmHg 合併症のある場合はより厳格に
フレイルや転倒リスクのある高齢者 個別調整 個別調整 過度の降圧は避け、安全を優先

※この表はあくまで目安です。最終的な目標は医師が患者さんの状態に合わせて決定します。

「薬を始めたら一生やめられないの?」という不安をよく伺います。

実際には、生活習慣を改善することで薬が不要になる方もいます。

まずは以下の生活改善を推奨します:

  • 塩分を控えめにする
  • 有酸素運動(ウォーキングや自転車など)
  • 体重の適正維持
  • 禁煙・節酒
  • 睡眠とストレスの改善

それでも血圧が下がらない場合は、必要に応じて降圧薬を組み合わせて安全にコントロールします。

自覚症状がなくても、早めの対策を

血圧が140/90 mmHgを超えていても、多くの方は症状を感じません。

知らない間に血管ダメージが進み、命に関わる病気につながることがあります。

ご家庭での測定で 130/80 mmHg を超える数値が続く場合は、早めの受診をおすすめします。

当院では、年齢・体力・持病に合わせた無理のない目標値を設定し、生活習慣改善から薬物治療まで丁寧にサポートします。

お気軽にご相談にいらしてください。